第1回『作品概要』






 「私、リリィ! 後に『強欲の魔女』と呼ばれる、美少女にして最強の魔女よ!」


 「……確かに、欲が強いのは認めるけど」


 「そんな私のたった1つの願い、それは――」


 「街中の男どもを下僕にすることだった!」


 「こらこらこらこら……」


 「マハリクマハリタ、マハリクマハリター! みーんな、私の下僕に――」


 「ちょっと待て!」


 「もう、急にどうしたのよ?」


 「『急にどうしたのよ?』じゃねーよ! さっきからなに捏造してんだよ!」


 「いーじゃない、コラムなんだから。コラムってこんなもんでしょ?」


 「……とりあえず、今の部分カットな」


 「主人公権限でカットさせないわよ」


 「なんだよ、それ」


 「主人公補正と言ってもいいわね」


 「………………」


 「――さぁて、そんなこんなで、皆さんこんにちは! 私は主人公のリリィよ!」


 「……使い魔のアッシュだ」


 「私たちに少しでも興味を持ってもらえるよう、今日からコラムを連載していくわ」


 「相変わらずの不定期更新だけど、……ま、気が向いたら見に来ればいいんじゃないかしら?」


 「更新頻度誤魔化そうとかっていう『ヤツ』の魂胆が見え隠れしてるな……」


 「そんなことはともかく。
  記念すべき第1回は、私たちの世界についてちょこちょこーっと説明しようと思うの」


 「ぶっちゃけると、ゲームの仕様とかシステムとかそこら辺ね」


 「おいこら、軽くメタ発言するなよ」


 「いーじゃない、コラムなんだから。コラムってこんなもんでしょ?」


 「それ、さっきも言ったからな」


 「あ、そうそう。今回はホームページにも掲載されている情報だから、読まなくてもいいわよ」


 「いやいやいや、読んでください読んでください」


 「……えっと、まずは、『このゲームってどんなゲーム?』ってところからね。
  今作は純愛系女性向け恋愛アドベンチャー、いわゆる『乙女ゲー』よ」


 「『乙女ゲー』なぁ……」


 「なによ、何か問題でも?」


 「や、お前ってそういうゲームの主人公って柄じゃねーよなぁって」


 「なんでよ?」


 「何つーか、その、主人公にしては自己主張が激しすぎるっつーか」


 「いいじゃない、最近はそういう主人公も増えてきてるって」


 「ビバ! ゴーイング・マイウェー! いぇいいぇーい!」


 「あー、コラムだからはっちゃけてるけど、
  本編では本当に純情な乙女やってるんで見捨てないでやってください」


 「ん、フォローありがと」


 「さて、話を戻すわね。
  全年齢だから、あーんなシーンやこーんなシーンは無いけど、キスシーンくらいはあるみたいよ」


 「ああ、ギャラリーにもあったな。お前と俺が、その……」


 (どげしっ)


 「攻略対象は3人。この辺りに関しては、今後のコラムで話していくわ」


 「何も殴ることはねーだろうに……」


 「……シナリオは3章構成。章をクリアすることで次の章に進むことができるの」


 「ん? サイトには『+α』とか書かれてなかったか?」


 「ある特定のエンディングを見ると、隠しシナリオとして4章目とそのエピローグが追加されるのよ」


 「っつーことは、やっぱりマルチエンディング?」


 「ええ、その通り」


 「1作目の『モラトリアム -boys men-』同様、選択肢の数は少ないから攻略には苦労しないはずよ」


 「なんとまあシンプルな……」


 「エンディングはバッドエンド含め全4種。死亡エンドもあるから、苦手な人は注意してよね」


 「とまぁ、今回は概要だしこんなもんよね? 詳しいストーリーと登場人物に関しては、次回から紹介するわ」


 「あ、質問」


 「なに? 私のスリーサイズ以外だったら何でも答えるわよ?」


 「……誰も訊かねーよ、んなもん」


 「何か言った?」


 「何でもありませーん……。で、公開予定はいつなんだ?」


 「今のところは未定ね、一応今夏を目指してるけど……」


 「うーわ、随分とテキトーだな」


 「要するに『ヤツ』のやる気次第よ、個人制作だからどうしてもねえ……」


 「なるほど。ま、俺たちもみんなと会えるの楽しみにしてるから、気長に待っててくれよな」


 「そうそう! 私もあなたと一緒に、街中の男どもを下僕にする日を待ってるわ!」


 「んな物語じゃねーから! 純愛だからな、純愛!」


 「えぇー、憧れの逆ハーレムエンドは?」


 「ねーよ!」





■次回『キャラクター紹介:リリィ』



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