第2回『キャラクター紹介:リリィ』
「オス! オラ、リリィ! 世界中の男どもをひれ伏せるためにやってきた魔女よ!」
「……アッシュだ」
「というかお前……、これからずっとそのノリでいくのか?」
「もちろん!」
「マジかよ……」
「だってだって、本編ってものすごくシリアスなんだもの! 肩凝っちゃうわ!」
「だからって世界観ぶちこわすなよ……、そんなノリで大丈夫なのか?」
「大丈夫よ、問題無いわ」
「………………」
「さぁってと、今回からは、登場キャラクターを紹介していくわ」
「最初はこの私、主人公のリリィよ!」
「本当にいいのか……、こんなのがプレイヤーの分身で……」
「あ、メタ発言禁止」
「前、前回めちゃくちゃメタ発言してたじゃねえかよ!」
「アッシュ、世界観ぶちこわさないでくれる?」
「お前が言うな!」
「はいはい、んで、さっきも言ったけど私が主人公よ」
「こう見えても魔女なの、……純血じゃないけど」
「お母さんは魔女だけど、お父さんはその使い魔で、ウェアウルフ。
そんな2人の間に生まれた私は……、魔法なんて全く使えなくて、よく仲間外れにされていたわ」
「性格のせいもあるだろうけどな」
(げしっ)
「いってぇ……」
「どうせ私はワガママで、意地っ張りで可愛くない性格ですよーだっ」
「……でも本当は誰よりも傷つきやすくて、泣き虫なんだよな」
「………………」
「はっ、話を戻すわね」
「……長命なのは純血の魔女と一緒よ。魔女の外見は精神年齢に拠るの」
「いつまで経っても、精神年齢が子供並みって事だな」
「……アンタ、また殴られたいの?」
「いいえ、遠慮しておきます……」
「よろしい」
「でも、ま、そうね。それはアッシュも同じなのよね?」
「まあな」
「やーい、がきんちょー」
「お前に言われたかねぇよ」
「あ、そうそう! 画面の外に居るあなた、私が魔女だということは内緒よ?」
「画面の外?」
「言ったら、タダでは済まさないからね?」
「……タダで済まないのは、お前の方だろうが」
「うぐっ……」
「そうよね、私たち魔女は忌まわしいとされる存在なのよね」
「いろいろあったからなぁ……」
「もう、あんなのは御免よね」
「だな……」
「具体的にどんなことがあったのかは、あなたの目で確かめて頂戴」
「"魔女"と聞いてピンとくる人もいるだろうけどな」
「ちなみに、私が真っ先に思いつくのは、ステーキ好きの自称世界一不幸な美少女ね」
「……は?」
「あ、分かんないなら気にしないで」
「………………」
「ま、まあ……、こんなヤツだけど、よろしく頼むな」
「ちょっと! なに急にしめに入ってるのよ!」
「時間が押してるんだよ」
「えぇ……、まだ私のあんなことやこんなこと話したいのに……」
「本編で語れ、本編で!」
「……なんだかユーザーに申し訳なくなってきた、見捨てないでくれよ?」
「みんな、オラに勇気をわけてくれ!」
「………………」
「……ごめん、今のは私もひいたわ」
■次回『キャラクター紹介:アッシュ』