第3回『キャラクター紹介:アッシュ』






 「みなさん、ごきげんよう」


 「………………」


 「あら? アッシュさん、リボンが曲がっていてよ?」


 「……お前どうしたんだよ、気持ち悪いぞ」


 (べしっ)


 「アンタが前回・前々回と"ヒロインっぽくない"って言ってたからでしょーがっ」


 「いだだだ……」


 「い、一体何に影響されたんだよ……、色々間違ってねぇ!?」


 「ねえ、私の名前のスペル分かる?」


 「リリィ――、L・I・L・Y?」


 「運命的なものを感じたのよ」


 「どういうことだよ……」


 「目指せ、薔薇さま! エルダー!」


 「いやいやいや……」


 「――っと、冗談はさておいて、進行役のリリィよ」


 「……同じくアッシュだ」


 「今回はアッシュの紹介ね」


 「アッシュは私の使い魔なの。それでもって、ワーキャットっていう半獣」


 「要するに子猫ちゃんね」


 「子猫って言うな!」


 「ワーキャットと言えば魔女の使い魔。もちろんバレたらマズイから、アッシュのことも内緒よ」


 「だから、いつも子猫ちゃんの姿なのよね〜?」


 「………………」


 「でも羨ましいわ、私と違って魔法が使えるんだもの。変化(へんげ)の魔法とか見事じゃない」


 「ま、まあな……」


 「ねね、ちょっとダンディーなおじ様に変身してみてよ?」


 「はぁ!? 疲れるから嫌に決まってんだろ!」


 「えぇー、いつも猫の姿になってるのに? なんだか理不尽だわ」


 「原来の猫の姿と、他人の姿とは雲泥の差があるんだよ」


 「ちぇ、つまんないのー」


 「つまらなくて結構」


 「次回のゲストは、きっとすごいの見せてくれるわよ?」


 「おいこら、テキトーなこと言うなよ!」


 「……ま、私としてはゲストを交えてちゃんとやれるか、ちょっと心配なんだけどね」


 「う……」


 「人見知りシャイボーイなんだもんねー?」


 「うっせぇなっ!」


 「困ったもんで、アッシュは私以外の人とは全然話せないのよ」


 「あ、そうそう! 苦手なものと言えば、もうひとつ――」


 「おっ、お前、人の弱みべらべらと話すなよ!」


 「だって楽しいし」


 「俺は楽しくねぇよ!」


 「仕方ないわねぇ。もうひとつの苦手なものは、本編のお楽しみにしておいて」


 「くっそう……」


 「でも、ま、アンタは私のことを慕ってくれてるし、いつも傍で支えてくれる。何だかんだで感謝してるわ」


 「リリィ……」


 「ふふ、なぁに赤くなってるのよぉ?」


 「あ、赤くなんかなってねぇ!」


 「照ーれちゃってぇ、可愛いなぁ」


 「照れてない! というか、可愛いってなんだよ!」


 「おっと、もうこんな時間! 来週はなんとゲストが、まさかゲストが、そしてゲストが!?」


 「無理矢理まとめたな……」





■次回『キャラクター紹介:エリオット』



inserted by FC2 system