第7回『逆ハーレムエンドがほしい』
「校門を抜けると、ハーレムだった……」
「この物語はスーパービューティーガール・リリィと、彼女を取り巻くハンサム達の愛とロマンス、
あっは〜んな展開が満載のゲームであ〜る!」
「………………」
「ということで、逆ハーレムエンドがほしいわ」
「お前、本当にやりたい放題だな……。今度は逆ハーレムかよ……」
「だってあり得ない! あり得ないわよ! 逆ハーレムエンドが無いなんて!」
「純愛だから仕方ないだろ?」
「逆ハーレムだって純愛だわ」
「えぇ……?」
「私、みんなが好きなの。1番なんて選べないよう……」
「………………」
「ちょっと! ひかないでよ!」
「悪ぃ、寒気が……」
「もうっ! 失礼ね!」
「だったら純愛じゃなくていいわ! 趣向を変えましょう!」
「い、今更んなこと言うなよ!」
「校門を抜けると、ハーレムだった……」
「それ、さっきも言ったからな?」
「卒業式の後に呼び出されるの――。伝説の木の下に行くと、私のことを好きだと言ってくれる男どもが……」
「そして、めでたく彼らは私の下僕に――」
「……待て、お前はどこからツッこんでほしいんだ?」
「学園モノっていいわよね、ときめくわ。マジパレードだわ」
「とにかく世界観ぶっこわしだからな、お前」
「えぇ? それじゃあ……」
「――そう! 私がサキュバス(淫魔)なんて設定はどう!?」
「サキュバスぅ!?」
「みんなを誘惑しちゃうの……、やだ、なんて素敵設定……」
「ねーよ!」
「おまけで入れてくれないかしら? そう、こんな感じに……」
「………………」
「何か言ってよ!」
「いや……、すげぇな……」
「こんのぉっ……! ――って、ん?」
「み、見てよ、アッシュ! "ヤツ"がこんなのをよこしてきたわ!」
「うっ……、わ……!」
「よし、これで逆ハーレムエンドは決定ね! やったぁ!」
「――本編に逆ハーレムエンドは存在しません、マジで」
■次回『ゲーム本編完成』