『ここに、ある少年の記録がある。 彼は、狼に育てられたという――、狼少年。 この記録は、僕がその狼少年と過ごした数ヶ月の軌跡である――。』 生物学者である尾崎 裕介は、とある異国の村を訪れていた。 その村に存在するという狼少年。彼はその真偽を検証しにきたのだった。 果たして狼少年は実在するのだろうか。 それは、この記録を読めば分かることだろう――。